HSPとは、アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士が提唱した概念であり、「Highly Sensitive Person(非常にセンシティブな人)」の略で、「繊細」「感受性が強い」「感じやすい」など、同じ刺激を受けても他の人よりも強く反応しやすいいう気質のことを言います。
その敏感さから周りの様々な変化を察知しやすいため、気疲れしやすく、時に生きづらさを感じることも。
最近では、お笑い芸人の田村淳さん、元でんぱ組の最上もがさんなどの著名人が、自身のSNSにおいてHSPであることを公表するなど、メディアでも注目が集まっている「HSP」。
では、HSPは具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
本記事では、HSPの第一人者であるアーロン博士が提唱しているHSPの4つの特性「DOES」を説明していきたいと思います。
本記事の内容
私ってHSPなの?HSPの特徴4つ
まず、HSPの特性である「DOES」というものをご存知ですか?
DOESとは、
「Depth of processing(物事を深く処理する)」
「Overstimulated(過剰に刺激を受けやすい)」
「Emotionally reactive and high Empathy(感情の反応が強く、共感力が高い)」
「Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知しやすい)」
という4つ特性のアルファベットの頭文字をとったものであり、HSPの人全てが共通して持っている気質と言われています。
以下にそれぞれの特性を詳しく挙げていきます。
①「Depth of processing(物事を深く処理する)」
じっくりと物事を考え、ちゃんと全てを結論づけ、納得してから行動に移すという慎重さのことを言います。
相手の反応・表情・言動などを深く読み取り、
なぜあの人はあんなことを言ったのか?
ああいう反応をしたのか?
と頭の中で分析し、考えが止まらないことも。
HSPはそうでない人に比べ、頭の中に取り込む情報量が圧倒的に多いため、処理に時間がかかります。
②「Overstimulated(過剰に刺激を受けやすい)」
些細なことで神経が高ぶりやすく、反応しやすいHSP。
怖い上司や慣れていない人からのメール・電話に動揺する、人の機嫌の変化を敏感に察知しすぎて気疲れしてしまう、などが挙げられます。
外界の情報をキャッチするセンサーの感度が普通の人よりも高いため、普通の人が気にしないようなことも感知しやすく、パソコンやスマホなどの強い光やカフェイン、騒音などにも影響を受けがちです。
③「Emotionally reactive and high Empathy(感情の反応が強く、共感力が高い)」
怒っている人や高圧的な態度に影響を受けやすかったり、悲しんでいる人に感情移入しすぎてしまうという特性があります。
悲惨なニュースにひどく動揺したり、近くの人の感情の起伏に疲れてしまうことも。
一方で、音楽や絵画などの芸術に深く感動するなど、共感力が高いからこその強みもあります。
自身の敏感さを生かし、芸術的な感性を表現して活躍をしているHSPの方も多いです。
④「Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知しやすい)」
「味覚」「嗅覚」「触覚」などの五感が鋭く、わずかな刺激に敏感に反応します。
着ている服がチクチクする、上の階の人の足音が気になって眠れない、など些細な刺激を察知しやすいです。
以上が、HSPに共通する4つの気質となります。
HSPなのかセルフチェックしてみよう
ここまで読んでみて、4つの「DOES」について、あなたはどのくらい当てはまる部分がありましたか?
自分はもしかしてHSP?と思った方は以下の診断テストを実際に受けてみることをオススメします。
48項目の簡単な質問に答えることで、あなたのHSPの度合いを知ることができますよ。
所要時間は約10分です。
HSPをもっと知りたい方へオススメの2冊
診断テストの結果はどうでしたか?質問内容が自分に当てはまりすぎてびっくりした方もいるではないでしょうか?
もっとHSPについて知りたいと思った方、HSPと分かったのはいいけれど、じゃあその気質とどうやって付き合っていけばいいの?と思った方もいると思います。
そんな方々へHSPの理解が深まるお勧めの本をご紹介します。
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。/アーロン博士
HSPの入門書といえばこちらの本。
アメリカで大ベストセラーとなった、アーロン博士の「Highly Sensitive Person(非常にセンシティブな人)」という書籍を日本語訳したものです。
HSPの特性、働き方、社会生活、恋愛など、特有の気質とうまく付き合っていくためのヒントが盛りだくさんで、HSPの教科書とも言える1冊です。
敏感な人の仕事の不安がなくなる本/みさきじゅり
HSPが人間関係と同じくらい苦労するのが「自分に合った仕事探し」です。
筆者のみさきじゅりさんは、日々キャリアを積みながらも、自分が非常に敏感で疲れやすく、なぜ周りの人と自分はこんなにも違うんだろう?と悩んできたとのこと。
現在は自身の気質や経験を生かし、HSPのキャリアコンサルタントとして活動されています。
HSPの働き方で悩んでいる方へオススメの1冊です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本記事ではHSPの特徴や、もっとHSPを知りたい方へオススメの本をご紹介しました。
この気質を知れば知るほど生きづらいイメージを持ってしまいがちですが、そんな面も受け入れて上手に活かしていく方法を学んでいけば、それは逆に長所にもなります。
自分の敏感さと上手に付き合っていくためにもHSPの気質をよく知り、対策をしていくことが大切ですよ。
HSPの皆さんの日々がより良いものになりますように!
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